2021/01/01

2021年 新年

みなさま、明けましておめでとうございます。

年末になって激増した感染症の影響で、例年とは異なる新年を過ごしている方も多いと思います。

昨年は、世界的に不穏な状態だったため、アラスカへ行くことはできませんでした。
アラスカにおいても、レストランではデリバリーのみ、お店では入場制限など、かなり厳しい状態が今も続いているとのこと。
その割には、のんびりとクリスマス休暇を楽しんでいるようで、それほどの切迫感は感じられません。

アラスカでは、スノーマシンにホンダに、常にガソリンを消費して暮らしているため、ガソリン消費量は例年より少なめだな、と思っていたところ、ついついオートバイを衝動買いしてしまい、例年並み(あるいはそれ以上)のガソリン消費量となっております。
30数年ぶりにバイク乗りとなったものの、バイクでアラスカへ行けるわけでもないので、なんとなく残ったモヤっとした感覚はそのままなのです。

今年は少しでも落ち着いて、人々の移動制限が無くなり、会いたい人たちにいつでも会えるような年になることを祈っております。

今年もよろしくお願いいたします。


ホッキョククジラとともに(千葉県)。

初日の出とともに。九十九里浜にて。


2020/04/20

おヒマならどうぞ。

こんな状況ですので、家でヒマを持て余している方もいらっしゃることでしょう。
私もあまりにヒマでしたので、グリーンランド式のカヤック(Qajaq)のペーパークラフトを作ってみました(参考にしたのは、自作の艇です)。
グリーンランドスタイルのカヤックを作ったことのある方でしたら、それほど悩まずに作れるのではないかと思います。
が、そんな人は少ないと思うので、試行錯誤して作ってみてください。

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必要なもの
・A4の紙(ケント紙など厚みと張りのある紙。名刺程度の厚さの紙。画用紙でもよいかと思います)
   ※家にプリンターがない場合は、コンビニで出力して、上記の紙に貼って使うことも可能です。
・よく切れるカッター、小さなものが切れるハサミ
・カッターの使える定規
・接着剤その1:木工用ボンドあるいはスティック糊、スプレー糊など。
・接着剤その2:ゼリー状瞬間接着剤
・ピンセット
・紙やすり

作り方

・印刷していない紙を適当な幅に切り、「3Ply Paper」の裏に2枚貼り、3枚重ねにします(そのほかの部分はそのままです)。瞬間接着剤を使うと大量に必要で、かつ硬くなりすぎるので、スティックのり、木工用ボンドなどを使います。
貼り合わせたら、歪まないよう、重石等をしてよく乾かします。

・ガンネル
Inside、 Centerを切り取り、Outsideの上に貼り、接着剤が乾いたら、台紙から切り出します。灰色の部分にはなるべく接着剤がつかないようにしてください(当方木工用ボンド使用。瞬間接着剤でも良いかもしれません)。

   ※ 以下の接着はすべて瞬間接着剤を使用します。

・ガンネルにジグをはめ(接着はしません)、バウとスターンを接着します。

・ニーブレイス、ビーム類を取り付けます。
ビーム類は材から適当な長さに切り出して使用します。艇の形状は好みで調節してください。

・エンドピースを取り付けます。
     ※エンドピースの形状も自由に変更してください。

・リブ材を切り出し、ガンネルの隙間(ほぞ)に差し込み、形状を決定したのち固定します。
艇の深さ、形状はお好みで。定規等を使用して、リブの幅、高さが揃うように整えます。

・舟底形状を見ながら、キール、チャインを取り付けます。

・コーミング材を切り出し、艇の幅に合わせながら幅の広い方を瞬間接着剤をつけながら、丸めます。その上に細い材を巻きつけ、形状を整えます。

・補強材、コーミング、ブレストフックを取り付け、完成です。


※ 貼り合わせるものは、すべて切ってから貼り合わせはるより、貼ってから台紙から切り出す方が綺麗にできるのではないかと思います(瞬間接着剤を使用)。
※ リブの本数は作業状況に合わせて適宜増減させてください(細かくなり、取り付けにくい場合があります)。
※ ジグは60度に設定してあります。幅、角度共に好みに合わせて設定してください。
※ 切断面が歪んだり、ガンネル等の貼り合わせ面の段差が気になる場合は、紙やすりで滑らかにしてください。

2020/04/01

論文のご紹介(ウソですよ)

以下、ネタです
大学時代の同級生で、どういうわけか海洋物理学から昆虫学の分野へ進んでしまって、いまや大学院で先生をやっている岩内真実という男がおるのです。
つい、先日まで中国の大学と共同研究をやっていたのだけど、こんな時勢で中国へ行くこともままならず、向こうから研究者を呼ぶこともままならず。
中国の大学といっても、研究者は日本人です。
とりあえず論文は発表したけれど、こんな事態ゆえ、誰にも読んでもらえないと。特に中国では昆虫なんて、と完全に無視されているそう。
ちょっと読んでみたら、とても面白かったので、ご紹介させてください。


「これを読んで、身近な昆虫に興味を持っていただけると嬉しいです」
と、庄司陽治教授からも伝言を授かっております。

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という、エイプリルフールのネタでした。 
何がしたかったかは察しがついてると思いますが、
「壁に耳あり、障子に目あり」
ってやりたかっただけの、偽論文です。
小説を書こうと思って登場人物と荒筋を考えたけど、そもそも小説を書いたことがないので、やめました。

「河辺に耳蟻、庄司に目蟻」
ってことで、青梅市の河辺(かべ)です。

「青梅国際大学院大学」
そんないやらしい名前の学校はないです。

「岩内 真実」
この人、毎年職業変えてますね。

「南華久崔大学」
「なんかくさいだいがく」そんな学校もないです。

「庄司陽治」
「しょうじょうじ」タヌキのでるとこですね、證誠寺。

学名の「Mickiea japnecus」日本産のミッキー とでもいう意味でしょうか。ミッ◯ーマウスっぽい耳ですから。

それっぽいことを書いている生態は、一般的なアリの生態です。
写真はフリー素材のアリの触覚と目をフォトショップで大きくしただけです。

2020/01/01

2020年年頭のご挨拶

皆さま、明けましておめでとうございます。

昨年の年頭にも温暖化の話を書いておりますが、昨春も妙に気温は高く、気温は上昇し続け、雪も氷も5月中には無くなってしまう状態でした。

氷上の三日月
それでも猟は続いているので、今年も例年通りアラスカに向かう予定です。
帰国の先に、高温と都内で無謀な運動のお祭りがあるので戻りたくないのですけどね。

今の地球の気温変化状況だと、あっという間に世界中の風景が変わってしまう可能性があります。
ただ、いつまでも、氷の上での猟が続けられたら、どんなに幸せなことだろうと思います。

私事ですが、昨年、手取り足取り教えていただきながらコツコツと作っていたグリーンランドスタイルのカヤックが完成しまして、それに関わる何らかのこともやって
いくことになりそうです。

ということで、皆さま、今年もよろしくお願いいたします。

2019/07/01

エスキモーポテト

晩飯を食い終わろうとしていた時、父ちゃんが突然、
「昨日『まーすぅ』ってのもらってさ、久しぶりに食べたよ。シールオイルつけて食べるとうまいんだよ」
と言い出した。
何かと思えば、何かの根っこらしい。
なんでもネズミが食用として集め、地面の下の巣に蓄えておくので、昔はそれ人間が集めて食べていたそう。ネズミが集めたものは、綺麗に皮をむいてあって、すぐにでも食べられる状態だと(今回のものは、誰かが根っこ自体を掘ってきたそう)。
「シンゴ、すぐにでもネズミの巣を探しに行きそうだな? で、ネズミのうんこを間違えて食ってそうだよな」
と言って笑われる。
「ウンコだけど、うまいんだよ、って食ってるかも」

父ちゃん、冷凍庫からその「まーすぅ」なるものを出してきてくれた。
「これはネズミのしっぽか?」
「いや、まーすぅ、何かわからんけど、何かの植物の根っこだそうな」

皮を剥く前と後(幅は5mmほど)
皮を剥いでかじってみる。
繊維質だが、見た目ほど硬くなく、苦味もなく、噛んでいるうちに甘さが出てくる。どこかで食べたことのある味だ。
「なんだとは言えないんだけど、どこかで食べたことのある味なんだよ」
と、とうちゃん。
えぐみのないごぼう? そんな感じ。見た目もごぼうの細いもの。

さて、食事の後、イヌピアック語の辞書やらなんやら色々調べてみると、まーすぅ、「Hedysarum alpinum」英語名は「Alpine sweetvetch(アルパイン・スウィートベッチ)」マメ科のイワオウギ属の植物であることが判明。花は時々見かける。
さらに「エスキモーポテト」の別名があると。
Hedysarum alpinumの花

以前、エスキモーポテトに関するエッセイを読んだことがあったものの、「ポテト=丸いもの」という固定観念があったこと、エッセイの舞台がどちらかと言うと内陸だったと記憶していたので、まさか身近にあるとは思ってもいなかった。

そのエッセイの中でも、ネズミの巣からいただくとあった。ただし、お礼に魚の干物を置いてくると。この辺の人たちはどうしていたのかは知らない。

面白いのは、この辺の人たち、ネズミを毛嫌いしていて、とても怖がっていること。ネズミがその辺を走りまわろうものなら、男女問わず大騒ぎして逃げ惑う。おそらく小さすぎて銃で撃てないからだろう。

天気が悪くて、風も強く、外を歩き回って写真を撮る雰囲気でもないので、天気が回復したら、まーすぅ、ちょっと探してみよう。

2019/06/24

アゴヒゲアザラシの捕まえ方

ようやくブログのタイトルの通り「海獣の捕まえ方」です。
海獣を捕まえるビデオは、YouTube上にも上げてありますが、詳細は書いてませんね。
ちょっとだけ解説してみます。
ちなみにボートからのアゴヒゲアザラシ(ウグルック)の猟です。
氷上や海岸で待機して、氷の割れ目や池状になった水面に現れるアゴヒゲアザラシを捕まえる猟は、氷が無くなる時期が早まってきたこの5年ほどはやっていません。というか近年は、あっという間に氷がなくなってしまい、こういう猟はできないのです。
アゴヒゲアザラシ猟

ボートで走り回りながら、海面に現れるアゴヒゲアザラシを見つけます。この時期、たくさん泳いでいる小型のワモンアザラシとは頭の形、泳ぎ方が異なるので、慣れてくると多少離れていてもわかるようになります。
ボートで近づき、頭を狙って銃を撃ちます。即死する場合もあれば、目玉を撃ち抜かれても生きて逃げ回る個体もあります。
撃ったら素早くボートで近づき、沈む前に銛を打ち込みます。場合によっては、あっという間に沈んでしまい、銛を打ち込む余裕がないこともあります。
銛を打ち込むと同時に、アバタクパック(ブイ)を投げ込む人たちもいますが、我々の場合は、明らかに致命傷にならず、暴れそうな時以外はアバタクパックは投げ込まず、ロープを握って流れて行くのを止めます。
ボートに引き寄せ、まだ生きている場合は、とどめの一発を頭に打ち込みます。時々、脳が完全になくなっているのに動き回る個体もあり、生命力に驚かされます。
(写真下に続く)

死んだことが確認できたら、ウナーックというフックのついた棒で近くまで引き寄せ、上顎の歯茎と頰の間に穴を開け、そこにロープを通し、上顎を回して縛り、船に固定し、海岸まで運びます。 
ボートからロープを外し引き上げます。2m程度のアゴヒゲアザラシの場合、重くて3人以上いないと、引き上げ、移動は難しいです。
アゴヒゲアザラシは、体温保持のための皮下脂肪が3〜5センチあり、死んだ直後も体温は残っているため、そのまま置いておくと内臓から腐ってくる可能性があります。そのため、ヘソの下から10センチほど切り込みを入れて、腸を露出させておきます。そうすることで、1日程度海岸の砂利の上に置いておいても、肉が痛むことはありません。

猟がひと段落した段階で、一旦海岸に置いておいた獲物を解体場所(我々の場合、町に近い海岸の定位置、キャンプ)まで運び、女性たちが解体します。

2019/05/08

墓穴を掘る

この町は基本的に土葬で、人が亡くなれば墓地に穴を掘って埋葬している(アンカレジなどで亡くなった場合は火葬されることもある)。
かつては質素な棺に入れるか直接埋葬していたのだろう。古い墓の上には草が生い茂っているものもある(近年、気温が上がってきたため、背の高い草も増え、墓地や普通の場所の違いがよくわからなくなってきている)。
今は豪華な棺に入れて埋葬しているので草が生い茂ることはないが、親族の人々が造花をたくさん置くことがあるので、花が咲き乱れている墓も多い。

滞在中にほぼ毎回葬儀がある。知った人も多く、猟に出ていてる場合などを除き、なるべく出席するようにしている。
人々は普段着のまま教会に集まり、亡くなった人を偲んで賛美歌を歌い、聖書を読み、時に思い出を語り、笑いが起きることも。
日本のような細かいしきたりは一切なく、派手な服はダメ、香典は多すぎても少なすぎてもダメ、ということはない(こちらに香典という風習はないが)。
どんな格好をしていようが、どんな状態だろうが、故人を偲ぶことに関係はないと思う。

基本的に豪華な棺は既製品を購入するが(アンカレジから飛行機で送られてくる)、それ以外はほぼ手作り。そのため墓標の十字架でさえ、親族の家で作られる。
太い材木を十字に組み、紙やすりをかけて表面を滑らかにし、電動ルーターで文字を刻む。それだけ。
古い墓標は朽ちていて誰のものかわからなくなっていたりするが、墓標なんてこれでいいのだろうなと思う。石で永遠に残す必要はあまり感じない。

木枠を入れ、墓穴を掘る
葬儀前日の午後、親族や友人知人の男性が集まり、墓地の空いた場所に穴を掘る。海岸の砂嘴の先にあるこの町は、表面に薄いツンドラの土があるところもあるが、基本的には砂利。墓地も砂利。
掘れば掘るだけ崩れてくるため、棺がすっぽりと収まる大きさの枠を作り、それの内側を掘っていく。

5月上旬くらいまで、まだ墓地内に雪が積もっている。地面は表面から2〜30cmは凍りついていてシャベルだけでは掘り起こせない。
その昔は、暖かくなって地面が溶けるまで遺体を墓地の脇に安置しておいたそうだ。
雪を除くと、凍った地面が現れる
最近はそんな状態でも穴を掘る。ツルハシで地面を砕き、ハンマードリルで地面を砕き。
「みんなで小便すれば、すぐ溶けるぜ」
などという、そこへ埋葬される人に対する敬意も何もなさそうなひどい冗談を言いながら、男たちは穴を掘り続ける。

重機で一気に掘ることも増えた
墓穴掘りは結構な重労働だったのだが、数年前から重機を使うようになってきた。重機を使うと、あっという間に大きな穴が開けられる。しかし仕上げは今もシャベル。

教会での葬儀が済むと、棺はトラックに乗せられ墓地へと向かう。
前日に掘られた穴に安置された棺は、祈りを捧げられた後、十字架を立て埋葬される。十字架は町の方向(東)を向いている。頭は十字架の方に向けて(西)。

小雪の舞う中、誰かの歌う賛美歌が妙に染みてくることもあった。
仲の良かった友人の埋葬がほぼ終わり、感慨にふけっているときに、突如晩飯の話を家人に大声で言われ、 一気に現実に引き戻されたこともあった。

いままでどれくらい掘るのを手伝ったろう。
いずれ人は死ぬのだけれど、やはり友人たちに会えなくなるのは寂しい。