2013/08/14

わたくしと「ば」

朝、目が覚めたらまず1本。ま、1本で終わることはなくて、平均すると3本くらいかな。
そうすると朝ごはんを抜いても苦にならないし、なかなかいいよ。

外から帰ってきたら、一休みしながら、とりあえず1本はいきたいね。
寝る前にも欠かさないよ。だって安心して寝られるからね。

猟から帰って来て、すぐの1本も最高だね。特に獲物が捕れたときなんて、言葉にならないよ。

1本やりながら、ソファに横になって見るテレビもいいよね。
え? 何を見るかって? ナショナルジオグラフィックチャンネルのドキュメンタリーは面白くて好きだよ。
でも、あの動物どうしが、様々な知恵と技を使って激闘するあの番組が一番すきだな。
え? 知らないの? 昔からやっているネコとネズミが激闘するあの番組を?
まぁ、いい。

ところで一本やる際、毛布が欠かせないことは君も知っているよね。あの毛布もなんでもいいわけではないんだよ。
何年も使い続けているお気に入りの一枚。時々洗濯されてしまって、お気に入りの香りが飛んでしまうことが難点と言えば難点かな。ま、すぐにもとにもどるけどね。
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以上、現在6歳のとある少年の証言を勝手にまとめて見た。
普通だと2歳くらいまでにはやめるであろう「哺乳瓶」を未だに愛用している彼。
それなりに恥ずかしいと感じているようで、一応友だちには内緒。
彼の家の冷蔵庫には、彼が3歳くらいのときの哺乳瓶をくわえている写真が張ってある。
友だちがその写真を見ている。
「昔、哺乳瓶を使ってた頃の写真だね」
と、彼は何事も無いように言ってのけた。
横で聞いていた我々は爆笑していたのは言うまでもない。

彼は起きるとパンツ一丁で自分のところまでやってくる。そして
「Shingo make me Bo!」
「Bo」は「bottle(哺乳瓶)」のこと。日本語風の発音だと「ば」。
エバミルクという濃縮ミルクを3倍ほどに薄めて作ってあげる。
「自分で作れよ」
と言うけれど、未だ誰かに作らせている。
そしてお気に入りの毛布で哺乳瓶を包み隠すようにして、トムとジェリーや、アラスカ関係の番組を見ながら、チュウチュウ吸っている。

ところで、ポイントホープに限らず、エスキモーの人たちの多くは、養子のやり取りは珍しいことではなく、子どもを育てたいと思ったら、何の躊躇もなく養子をもらう。
その結果、両親と全く顔つきが違う子どもたちがたくさんいる。結構年をとったカップルの間に、幼い子どもがいたりする。
そしてほとんどの子どもたちは、自分に産みの親がいることを知っている。
産みの親と育ての親が違うことによるイジメやドロドロしたドラマは全くない。

本編の主人公の場合も、育ての母親の兄夫婦から、生まれてすぐに養子としてもらわれて来た子どもである。
そのため、母乳を知らないが、彼の哺乳瓶好きと何か関係があるのかはわからない。

さて、その彼、ついでに言うと、未だ尻を自分で拭けない。
台所で調理していようが、ベッドでくつろいでいようが、バスルームから声がかかる。
「Shingo done!(シンゴ、終わった!)」
バスルームへ行くと、四つん這いで尻をこちらへ向けて待っている。
ぶつぶつ文句を言いながら、尻を拭いてやる。
「写真撮ってやろうか? で、ベッキーに見せてあげよう」
「やだ。絶対ダメ」

来年は、哺乳瓶作りも尻拭きも終了していることを望みたい。

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