2021/06/08

番外篇 バイク乗り復活の理由

スノーマシン。
今年、きちんと乗ったのは1度だけ
ホンダのATV
 普段からこちらを読んでくださっている方はご存知かと思いますが、例年、春から夏にかけて、アラスカ北極圏の小さな町、ポイントホープで、スノーマシン(スノーモービル)に乗ったり、ATVに乗ったりしながら生活(居候)しておるわけです。

昨春(2020年)は、コロナの影響で出国もアメリカ入国も儘ならず、アラスカに来ることができなかったため、日本の狭いアパートで悶々としておりました。
そんな折、フェイスブックの記事の中にバイクを紹介するサイトが紛れ込んでいて、何気なくクリックすると、カワサキのW175というバイクが紹介されています。インドネシア製の逆輸入バイクだそう。
今時珍しい、バイクらしい形をしたバイクで、シート高は低く、取り回しもしやすそうです。値段も中型車にしては安いくらいです。一目惚れでした。
しばらくネットの海を漂って、W175について調べ続けました。
たまらなくなって近所のSOXというバイク屋さんまで現物を見に行きました。数十年振りのバイク屋さんでした。
お店の方に整備や消耗品のことなど色々話を聞いて、その日は帰ってきました。

そして色々調べているうちに、同じくカワサキの250TRというバイクに行き当たりました。
よく見れば、こっちのほうがW175よりも格段に格好良く見えます。ただしこのバイクは既に生産終了で、新車での入手は不可能です。しかしW175は新車で買えます。
逆輸入新車にするか、国産中古にするか、ネットの海を漂っていると、250TRについて、色々わかってきました。
年式の古いものはキャブレターで、新しいものはインジェクション。年式によって色も様々。
そもそもバイクがインジェクションになっていることすら知らないくらい、バイクから離れていおりました。

カワサキW175
以前、バイクに乗っていた頃は、基本的な整備は全て自分でやっていたため、素人では手出しの出来なさそうなインジェクションは、ちょっと躊躇がありました。なので、キャブレター車を中心に探し始めましたが、なかなかピンと来る車両がありません。

昔は、何件ものバイク屋さんに通ったり、バイク雑誌を見たりして中古車を探したものですが、今や日本中の中古バイクがインターネットで即座に検索できる便利な世の中です。
白いTR、緑のTR、いずれも格好いいな、ちょっと遠いけれど休みの日に実車を見に行っても良いな、と思いながら、関東近辺の中古車を毎日のように検索しておりました。

ある日、家から数駅先のバイク屋さんに青いTRがあることがわかりました。今まで見たことのない色合いのTRです。
タンクやフェンダーの傷まで詳細に載せてあるので、もしかしたら信頼できる店かもしれないと思い、たまたま仕事が早く終わった会社帰りに、そのバイク屋さんへ行ってみました。
駅から店に向かってドキドキしながら歩いていると、まず目に入ってきたのはTRの青いタンク。なんだか、自分を待っていてくれたような気さえします。

カワサキ250TR 店頭にて。

整備士の方に色々話を聞いてみます。曰く
「インジェクションなんて、昨日まで調子良くても、今日突然壊れることもあるよ。このバイクだってなんとも言えないね」
「インジェクションはキャブ車と比べると、迫力に欠ける感じかな」
「うちのバイク、走るのに支障が無いよう、きちんと整備してから店に並べてるから」

じっくりと舐めるように細部まで見て、格好よさに惚れ惚れした後に、跨ってみます。
フロントフェンダーはW650のものに、ミラーは角形に変えてありましたが、そこも格好良く見えます。
「元々、オフロードを走るためのアップフェンダーだったけど、これで林道行く人もあまりいないだろうしね」
背が低く、足も短めの自分であっても、足つきは問題ないです。
タンクからハンドル周りにかけての見た目も、とてもすっきりしていて好印象です。
目の前にある劣化してヒビだらけのウィンカーステー。

「最近の樹脂製品すぐに劣化するからね。昔はこんなに劣化することなかったのに。でも、すぐに折れることはないと思うよ」
「エンジンかけてみていいですか?」
股座から伝わってくる単気筒の鼓動が、排気音が思いの外気持ち良いです。
「いい音ですねえ」
「でしょ? Z200の頃から続くカワサキの単気筒だからね」
「おお、あの振動であちこち割れるZ200!」

その後、最近のバイク事情など整備士さんとしばらく話をして、彼の知識の豊富さとダメなところもきちんと教えてくれる態度に、信頼できそうだと思いつつも、ちょっと考えますと、その日は店を後にしました。

その後、たまたまある方のブログを見つけました。その方はエストレヤ乗りで、その店に絶大な信頼を寄せ、すべて任せているようです。そして結構なわがままも聞いてもらっているよう。

検討中のバイクは、それなりの走行距離の10年以上前のバイクです。頻繁にトラブルが生じるかもしれません。インジェクションなので全く手に負えなくなるかもしれません。
1週間ほど考えに考え、もし、売れてしまっていたら諦めようと、店に行ってみました。 まだありました。
「TRまだ売れてませんよね?」
「他の店も見てみた?」
「いや、ネットでいろいろ検索しただけですけど、なかなかピンとくるものがなくて」
「改造されてるの多いものね」
「もう一度跨ってみる?」
もう一度跨らせてもらい、エンジンをかけ。
なんて心地よい振動でしょう。たまりません。
「すいません、買います」

そしてうちの子になりました。
要するに、昨年、私には、ガソリンが足りていなかったのです。
例年だと、スノーマシンやATVに跨って、股座に振動を感じながら、ガソリンを消費していたのですが、昨年は、ハンドルと股座から伝わってくる振動とガソリンの匂いが不足していました。
仕事で車にものりますが、そうじゃないのです。
結果、バイク乗りに復帰しました。
セル付きバイクは初めてです。カワサキも初めてです(昔、時々借りて乗っていたスクーターはセル付きでしたし、25年ほど前、友人のエリミネーター400をひと月ほど借りて乗っていたことはありますが)。セルのおかげで、交差点でエンストしても、すぐにエンジンをかけられるのは、ありがたいです(笑)。

一目惚れしたバイクがたまたまTRでしたが、未だ、TRよりもいいな、と思えるバイクに出会っていないので、ずっと乗り続けたいと思っています。
でも、どうなるでしょうね。

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