まいたろう(仮名)6歳。
「父ちゃん、サンタクロースって本当はいないんでしょ? いつも母ちゃんがプレゼントを買ってくるんでしょ?」
父曰く
「うちにプレゼントを買う金なんてあるわけないよ。アンカレジに行く飛行機のチケットを買って、ホテルに泊まって、レンタカー借りて、レストランでご飯食べたら、お金なんてなくなっちゃうよ」
アラスカのネイティブの人たちには、年末に州や郡からの配当がかなりの額入ってくる。
臨時収入があるため、ポイントホープの人たちの中には、クリスマスの休暇をアラスカで一番大きな都市、アンカレジで過ごす人が結構いる。
ホテルに泊まり、レストランで食事をし、子どもたちにクリスマスプレゼントを買い、生活必需品を買い、ここぞとばかりに散財をする。
まいたろう
「テレビでサンタクロースはいないって言ってたよ」
父
「クリスマスにシアーズモール(アンカレジにある大きなショッピングモール)へ行くとサンタクロースがいるの覚えてる? いつも一緒に写真撮って、まいたろうはプレゼントに何が欲しいかって聞かれるだろう?」
「うん、聞かれる。あとでプレゼントもちゃんともらえる」
「な、サンタクロースは本当にいるんだよ。うちにはプレゼント買うお金ないから、サンタクロースがまいたろうの欲しいものをプレゼントしてくれるんだよ」
「そーだね。やっぱりサンタクロースって本当にいるんだね」
クリスマスの時期になると、ポイントホープの多くの家では、家の周りを電飾で飾り立てる。白夜の逆、一日中日の昇ることのない「極夜」で、周囲の雪を電飾が照らし、オーロラが夜空を飾り、この時期のポイントホープは相当きれいかと思われる(この時期のポイントホープのことはほとんど知らないので、ここは想像)。
そしてこの電飾、なぜか白夜の季節まで放置していることがあって(点灯はしないが)、6月頃、電飾を外すのを手伝うことがよくある。
寒くて暗い冬場、電飾を取り外すことがいかに大変なことかはよくわかるので、とりあえず文句も言わず手伝うことにしている。
春、荷物を取りに物置に入ると、プラスチック製の巨大なクリスマスツリーが箱に入って置いてあるので、クリスマスツリーも飾り付けるようである。
北極圏という場所柄、大きな木は育たないので、クリスマスツリーは市販のプラスチック製のもの。
まいたろうの姉、しるこ(仮名)。無邪気にサンタクロースの存在を信じている12歳。
今年もサンタクロースに、あれが欲しい、これが欲しいと手紙を書いたそうだ。手紙の中身はiPadやらiPhone5やらが欲しいと…
今年、まいたろうの一家は、クリスマス前に休暇を取ってアンカレジに行くと連絡が来た。
「なんでクリスマス前にアンカレジ行くんだい?」
「今年はクジラ捕ったろう? クリスマスに町の人たちにマクタックを配るから、町にいなくちゃいけないんだよ。アンカレジでおいしいもの食べるのが楽しみだな」
「おいしいものってあれか、ビッグマック?」
「そう、ビッグマックにケンタッキーにチャーハンに…」
いや、何食べてもいいんだけどさ。
知り合いの10歳の息子さんも、サンタクロースを信じていたのですが、学校で馬鹿にされ、クリスマスイブは眠らないでサンタを待つと決心。
返信削除困ったのは両親。それでも息子の気が済むように一緒に起きてサンタを待つことに・・・(両親は息子が寝るのを待っていたんですが・・・)
夜中の3時をまわったころ、ようやく眠ったようなので、お父さんがそ~っとプレゼントを持って部屋へ。
プレゼントを枕元に置いた時、あろうことか息子がぱっちりと目を開け、お父さんをみあげて、目が合ってしまったそうです。
息子は無言でまた、眠ったそうですが、ショックを受けたのはパパ。息子の夢を壊してしまった・・・と朝までまんじりできなかったそうです。
翌朝、気まずそうに息子がおきるのを待っていたそうですが、上機嫌でプレゼントを持って息子は起きてきて言ったそうです。
「お父さん!サンタさんは本当にいたよ。ボク昨日会ったよ。」
(ええ~~~~!!)
びっくりしたお父さんはききました。
「本当に?本当にサンタさんだった?サンタさん何を着ていた?」
「サンタさんはね、長靴をはいていたんだよ!!!」
昨夜のパパのいでたちは、パジャマに袢纏裸足でしたとさ。
いいな~私は幼稚園に入園前にはそんな夢はなくしていましたよ。